子育てしながら心豊かに働こう

掲載日:2010年03月15日

初めての発表会を終えて

初めての大きい舞台での発表会。
それは子どもにとっても、親にとっても、
そしてテューターにとってもドキドキもん。
子どもたちに教えるのはいいけれど、
発表会というのはハードルが高い!
そんなふうに思うママもいるかな。
今回、むなぽんは、ラボ・テューターとして
初めて発表会を体験したママを取材したよ。

[ラボ・テューター杉浦博美さんプロフィール]

信州の温泉旅館に生まれる。
総合商社勤務後、結婚。香港へ。
帰国後、一年間のラボママを経て、
2008年ラボ・テューターになる。
家族は夫。小3女子。小1女子。

大成功だった発表会

ラボ教育センターでは、年に一度、地区の発表会があります。地区に属するパーティがたくさん集まるので、個々のパーティにとっては「自分たちの練習の成果を見せる場所」であると同時に「仲間に出会う場」でもあります。

杉浦パーティは、開設して1年と数ヵ月のパーティ。今回、初めて大きな発表会に参加しました(2009.12.23)。
「みんなで英語の歌を歌えれば上出来よ」と先輩テューターに言われ、少し気が楽になったという杉浦さん。「いつもの楽しい杉浦パーティをみんなに見てもらい、楽しんじゃおう!」という目標をたて、臨みました。

たくさんのパーティが集まるというと、パーティごとの評価が気になるところ。しかし、ラボでは、優劣の評価はしません。その代わり「去年、舞台に立つのがやっとだったのに、今度は英語でセリフが言えたね」といった小さな成長を認め合うのだそうです。


こんなに小さくてもセリフは英語でバッチリ!

「I don't care!ぼくしーらなーい」。マイクも必要のないほど、凛とした声が響きます。モーリス・センダック原作の「ピエールとライオン」を、自分たちで選び、演じた杉浦パーティの子ども達。舞台の上で実にのびのびと演じていました。

通常、高校生や大学生など大きな学年のラボっ子が小さな子ども達をリードしていくそうですが、杉浦パーティの子どもたちは一番大きい子が小学3年生。それでも日本語英語どちらのセリフもはっきり話すことができ、しかもとても楽しそう。

発表会後のアンケートでは、多くの人から、「とてもよかった」「小さな子ども達が英語と日本語のせりふをしっかり覚えていてすごい」という声が寄せられました。

活動は、とことん楽しく

とても楽しそうに演じていた杉浦パーティは、ふだんどんな活動をしているのでしょう。それを知るために、発表会が終わって2ヵ月たったある日、むなぽんは杉浦パーティを訪ねました。

久々に会った子ども達は、この日も元気いっぱい。今日は、テーマ活動(劇表現)に「だるまちゃんとかみなりちゃん」を選び、実際に家の外で、縄跳び遊びをしたり、石けりをしたりするそうです。


絵本の世界を、同じように楽しむ

「あの話に、縄跳びをするところなんてあったかしら?」。あらためて絵本を見てみると、ありました、ありました。かみなりちゃんの国で、だるまちゃんが、かみなりちゃんとさまざまな遊びをしているのです。大きなページの中のほんのひとつのシーンも大事にし、同じように身体を動かすことで、リアリティが生まれ、心も言葉も獲得できると杉浦さんは言います。

ラボで、教材として使われるのは、物語だけではありません。歌遊びや手遊びも、深い歴史や文化があって、今に伝えられているものばかり。身体を動かして、流れるようなリズムの中で楽しめば、自然に子どもたちの脳に吸収され、口から英語が出てきます。そんなふだんの楽しい活動が、発表会当日でも子どもたちを委縮させず、のびのびとした発表に導いたのでしょう。

テューターになる!背中を押してくれたもの

もともと娘さんをラボに通わせていた杉浦さん。以前は、どちらかというと受験教育に熱心でした。しかしラボの世界を知るにつれ、本当に子どもが求めるものとは、押しつけの教育ではなく「楽しい体験を通して、本当に大切なものにふれあうこと」だと悟ったといいます。

しだいに周りの人からテューターになることをすすめられるようになった杉浦さんですが、迷いがなかったわけではありません。
「これまで大切にしてきた、家事や家族とのふれあいがおろそかになるのではないか?」
「親は、自分よりもネイティブの先生を選択するのではないか?」


路地裏で異年齢の子ども同士で
遊ぶ姿は、どこかなつかしい

迷えば迷うほど、不安は広がります。けれどもそんなとき、尊敬する人が
「やりたい気持ちが少しでもあるのなら、今こそそれを決めるときだよ。一日一日、人は年をとる。できない理由も、一日ごとに増えるだけですよ」
と言ってくれたそうです。その言葉に後押しをされ、勇気をふるってテューターになった杉浦さん。今では、本当にテューターになってよかったと感じています。

子ども達から、感動をいただく仕事

テューターになり、それまでは自分の幸せ、家族の幸せが中心だった杉浦さんの考え方は、大きく変わりました。多くの子ども達や大人たちと関わるようになって、周りから、たくさんのことを与えられていることを実感しているといいます。

発表前に緊張して泣いてしまった子がいたときに、杉浦さんはみなを集めて「今日は失敗してもいいんだよ。いっぱい失敗して楽しむぞ。エイ・エイ・オー!」。そういって、円陣を組み、気持ちを盛り上げました。その言葉どおり、とことん発表会を楽しみ、想像以上の力を発揮した子ども達に、大きな感動を与えてもらったという杉浦さんです。


杉浦パーティは、元気で仲良し!
(金曜日クラス)

自分の子どもだけを見て毎日をすごしていては、決して得られなかった充実感を感じている杉浦さんは、今、積極的に地域や学校にもかかわって活動の場を広げています。

時々へこむこともあるけれど、大丈夫。「失敗のすぐそばに成功があることを知ったから」。成長しているのは、子どもばかりではありません。杉浦さんもまた、子ども達といっしょに、人間として成長をしているのですね。

(取材・文・撮影/宗像陽子)

杉浦さんからのメッセージ

ラボっ子といっしょに学んでいけばいい。だからテューターって完璧じゃなくていいと気づきました。いろいろな出会いに感謝できる仕事だと思っています。