子育てしながら心豊かに働こう

掲載日:2011年02月24日

ラボってお絵かきもするの?

ラボ教育センターのカレンダーを知っていますか?
ひと月ごとのカレンダーを彩る絵は、ラボっ子たちの手によるもの。
明るい色使い、力強いタッチ、描いている子どもたちの息づかいが伝わってくるようです。
今回は、このカレンダーの絵を描いた子とそのテューターのパーティをたずねてきました。

坂本順子さん

1984年よりラボ・テューターとなる。現在、6クラス30人。
一男一女あり。
1989年より毎年ラボ・キャンプに参加。

ラボっ子たちの絵で彩られるカレンダー

ラボ教育センターでは、毎年夏にラボっ子たちから絵を募集します。
パーティの中で読んできた物語の絵であること。
絵本の絵をそのままなぞったものではないこと。
これが、応募できる絵の条件です。

全国から応募してきた絵の中で、表紙に10枚。ひと月ごとに12枚の絵が選ばれカレンダーが出来上がります。


今年のカレンダーコンテストに入賞した須永周斗君の絵

ラボはお絵かき教室ではありませんから「こうしましょう」「こう描きなさい」と教えるわけではありません。また、必ず毎日描かせるというものでもありません。
けれども、どの絵もキラキラ輝き、個性豊かで明るく力強いのはなぜでしょうか。

取材日、3年連続でコンテストに入賞作品を出している坂本パーティにお邪魔しました。この日は『ひとあしひとあし なんでもはかれるしゃくとりむしのはなし』という絵本の劇表現を時間をかけて行なっていました。

このお話は、尺取虫がさまざまな鳥の長さを一足ごとに測っていくというもの。尺取虫は、最後にナイチンゲールに見つけられて食べられそうになりますが、「ナイチンゲールの歌をはかるよ」といって、遠巻きに一足一足測りながら、次第に遠ざかっていって無事逃げおおせるというお話です。

体験してから描く

日本語と英語で話される物語を聞きながら、尺取虫役の子、オオハシやサギ役をする子、ナレーター役、どの子も絵本の中の役になりきって一生懸命表現をしていきます。

1回、劇表現が終わると、坂本さんが声をかけてみなを集め、一人ずつよかったところと悪かったところを聞いていきます。

小学1年生でも「楽しかったところは、ナイチンゲールを探すところ。できていないところは、セリフのところ」などと一言ずつきちんと言えるのは、英語力というより、まずは国語力を重視するラボならでは。

こうやってCDを聞きながら、劇表現を3回行ないました。
その後
「サギとフラミンゴの姿勢が同じみたいだったわよー。どうしたらいいかなあ」
とか
「キジのしっぽは大きすぎ?」など、劇について和気あいあいと話し合いは続き、その後、物語の絵を描きます。


尺取虫ってこんな虫。図鑑を見て知識を広げる

坂本さんによれば、ラボの物語や英語がストンと心の中に入って行くのは、子どもによってそのタイミングが違うそう。
何度も物語を読んでいるうちにはいっていく子もあれば、劇表現をしているうちに役にはまって行って、物語の世界にストンとはいる子もいる。
絵を描くことでイメージが明確になる子もいるそうです。

最初は真似でいい


「学校でも絵を描くけれど、
ラボの方が楽しいよ」
と周斗くん(右)と一穂くん

坂本さんのパーティのこのクラスでは、3人ともお絵描きが好きなので、よく絵を描くそうです。この日もすぐに子ども達は鉛筆と色鉛筆を持って描きだしました。絵本を見ながら、絵本の絵を真似て、グイグイと力強いタッチで描いていきます。

おや?ラボの絵は、なぞり絵は禁止のはずでは?

「最初は絵本のマネでもいいと思うの」と坂本さん。「上手な絵を真似るのが最初の一歩だから」。
子どもたちは描き終わると、坂本さんに見せに行きます。


坂本さんの一言が、うれしい

「あら、この目がいいじゃない?エメラルドグリーンだって」「尺取虫は、もっと小さいんじゃない?でも、今にも動き出しそう」。坂本さんはおだやかな笑顔で、必ずひとついいところを見つけて褒めます。
子どもたちもウキウキしているのが、伝わってきます。

こうして、いつも楽しく絵を描いているうちに、お絵かきが大好きになっていきます。

夏のある日に、コンテスト用の絵を描く日を一日決め、クレヨンと水彩具で好きなように描かせるそうです。

小学校1年生の周斗くんが、コンテストに選ばれた絵を描いたときは、「気分が乗っていたのかしら。さらっとイキイキと描いたのでびっくりしたんですよ。それまではこんなタッチで描かなかったのですけれど」と、坂本さん。

大きく水浴びをするゾウ。あふれんばかりのゾウ達の笑顔。光り輝いている水しぶき。グイグイと乗っている気持ちが伝わってくるような絵は、こうしてできあがりました。

絵本を読み、CDを聞き、劇表現をし、絵を描き、五感に触れながら心に溜めておいた物語が、ある日、コップの水があふれるように、すばらしい表現となってあらわれる。
そこに立ち会えるのもテューター冥利に尽きるというものですね。

赤ちゃんから大学生まで

坂本さんは、テューターになって25年を超えるベテラン中のベテラン。けれども気負ったところはまったくなく「ごくごく普通のテューターなのよ」といたって自然体です。
ご自身のお子さんが小さいときからテューターをはじめ、今ではお子さんがお二人とも独立、1才の子から大学生まで30人のラボっ子たちと、ゆったりと楽しみながら、テューターを続けています。

「ラボをやっているとみんな英語が好きになるわよ」と坂本さん。「でもそれだけじゃない。ラボをやっていると精神的に豊かになれると思うの。それが根っこにあれば、人生ですごく強い自分の味方になってくれるんじゃないかしら」。
そんな豊かな人生の根っこ作りのお手伝いができるラボ・テューター。とってもすてきな仕事ですね。

(取材・文・撮影/宗像陽子)

坂本テューターからのメッセージ

どんどん変化していく子どもの成長をずっと見守ることができます。共に活動を楽しみ、自分も成長できるのがうれしいですね。