ピピっと子育て情報

掲載日:2017年06月15日

ポスト・イクメンの時代

すっかり定着した「イクメン」という言葉ですが、実は最近、「イクメン」という言葉が“理想のパパ像”として独り歩きしているんだとか。今回は、イクメンの生みの親であるファザーリング・ジャパンの安藤代表に、夫婦で子育てを楽しむコツを教えてもらいました!

お話を伺ったのは…

NPO法人ファザーリング・ジャパン ファウンダー/代表理事
安藤哲也さん先生歴6年

1962年生。3児の父親。出版社、IT企業など9回の転職を経て、2006年に父親支援のNPO法人ファザーリング・ジャパンを設立。 厚生労働省「イクメンプロジェクト推進チーム」顧問、にっぽん子育て応援団 共同代表等も務める。最近は、管理職養成事業の「イクボス」を積極的に推進中。


著書に『パパの極意~仕事も育児も楽しむ生き方』(NHK出版)、『できるリーダーはなぜメールが短いのか』(青春出版社)など多数。最新作『「パパは大変」が「面白い!」に変わる本』は、今月の読者プレゼントに掲載中!

1.イクメンブルー

 イクメンという言葉が生まれてから10年余り経ちましたが、日本では未だに就労第一主義の価値観が根深く残っている企業も多いです。 パパ自身は「子どもが生まれたから自分も育児にも関わっていきたい」と思っている一方で、仕事量は一向に減らないため、どっちもやろうとすると無理が生じます。 ママはママで常に大変そうなので、ママから求められる『イクメン像』を無理に実現しようといろいろ抱え込んで、終いには病んでしまうというパパが出始めていて、 「イクメンブルー」なんて呼ばれたりしています。
 男性の「就労第一主義」という社会的価値観は、本人の努力だけではどうにもできないので、これはファザーリング・ジャパンが企業に向けてイクボス育成など様々な取り組み を通じて改善していこうとしているテーマです。それと同時にママの皆さんには、理想のイクメン像を旦那さんに求めていくのではなく、『我が家にとってのパパ像』を探していくことが大切だと知ってほしいですね。

2.ママのワンオペ問題

 休日は子どもたちとたくさん遊んでくれるパパも、平日は子どもが起きている時間に帰宅できることは少ないのが現状です。となると、平日は家事や育児は全てママがやらざるを得ないわけですよね。この状態を「ママのワンオペレーション(=ワンオペ)」と呼んでいます。
 実はこれは、「パパにお願いしたいけど、どうせ無理」というママの諦めや、「家事や育児は女の仕事」というジェンダー・バイアス(=社会的な性的偏見)を、実はママ自身が心の奥に持っているということも起因しています。
 最近、熟年離婚がかなり増えていて、その主な要因は「子育て期における夫婦のすれ違い」ということも多いので、ママのワンオペは実はとても危険な状態です。 女性は「あの時こうだった!」というのを永遠に覚えてたりしますからね(笑)。

3.夫婦の会話を大切にしよう

 「離婚は絶対だめ!」というつもりはないのですが、子どものためという視点でいうと夫婦がうまくやっていけるほうが良いわけです。 パパ・ママがお互いにいろいろ溜め込んで笑顔が少なくなれば、子どもの心にも当然影響します。
 子どもを笑顔にするには「ママの笑顔」が一番有効で、ママを笑顔にするにはパパのサポートがとても大切。パパがイクメンブルーになったり、ママがワンオペで 回したりするのではなく、しっかりと夫婦の会話を持つことをオススメします。

4.子育てと人生をどう楽しむか?

 「こうしてほしい!」という押し付けではなく、まずはお互いが「どうありたいか?」の理想像を共有することから始めましょう。 パパ・ママの人生において「子育て」は、実は「期間限定のプロジェクト」です。
 最近は健康寿命もかなり延び、子どもが自立した後の人生のほうが長いという時代ですから、「子育て期」だけに焦点をあてるのではなく、その先の人生をどのように楽しく過ごそうか?という話し合いにすると良いでしょう。
 日本人は真面目だから「我慢」の文化ですが、例えば欧州のパパなんかは、「人生どう楽しむか?」ということばかり考えていますよ。長期休暇も当たり前に取りますしね。子育ては「親としての義務」の要素はもちろんあるけれど、「どう楽しむか?」を考えていったほうが、パパもママも絶対ハッピーになると思うんです。
 実は「どう楽しむか?」という視点で考えると、諦めていいことがたくさんでてきたりもします。理想の母親像・理想の父親像が、いつのまにか自分自身を「大変っ!」にしてしまっているのかもしれません。 皆さん、これからはぜひとも「笑っているママ」・「笑っているパパ」を目指してくださいね。