香苗先生の法律コラム

掲載日:2014年09月03日

子ども法律教室と、絵本「かさをささないシランさん」から

ママの皆さま、こんにちは。東京都江戸川区の、子ども未来館では、半年から1年かけて、科学・社会・ものづくりなどさまざまな分野の連続講座を行っています。その講座のひとつに、小学4~6年生を対象とした子ども法律教室があります。1年かけて学ぶ、全12回の講座です。憲法・刑法・民法の各分野のスペシャリストである大学の先生3名を講師にお招きして、それぞれの分野に関する法的なテーマを、かわいい人形劇でのストーリーを通じて考えます。子どもたちは、この講座を通じて、法的な物事の考え方や、自分自身で考える力を養います。私は、同じ司法書士の仲間と一緒に、初回からずっとお手伝いで参加しています。講座の様子はL'EDUのブログを見てね。

子ども未来館には図書館もあって、子ども法律教室の終わりに、必ず、司書さんがその回のテーマにあった本を紹介してくれます。子どもたちはその本を借りて家に帰るというわけなんですが…2回目の法律教室の後に紹介された本の中に、「かさをささないシランさん」という絵本がありました。私は絵本が大好き。この絵本は初めて見たので、とっても読みたくなりました。作者はあの谷川俊太郎さん。詩人でもあり絵本作家でもあり、他にも素敵な作品をたくさん生み出されている有名な方です。在庫が3冊あったのですが、そこは子ども優先、全部子どもたちが借りていったので、中を見ることができませんでした(残念)。
「かさをささない」というフレーズから、自分が子どものとき教科書に載っていた、「おじさんのかさ」というお話を連想しました。「おじさんのかさ」は、立派な傘を持っている紳士が、雨が降っても傘をささない、ナゼかというと傘が濡れるからです、というところから始まるお話です。傘が濡れるからです~というところで、何度も何度もウッヒャッヒャ(^0^)と笑った記憶があります。そこで、自宅近所の図書館で「かさをささないシランさん」を発見できなかった私は、買ってみました(笑)。内容は、おじさんのかさとは全く違う、かなりシリアスなものでした。
~シランさんというわかものがいました。かいしゃではテキパキとはたらき、にちようびはともだちとテニスをします。あるよる、いえにへいたいがやってきて、シランさんをたいほしました。あめのひにかさをさしていない。それがたいほのりゆうでした。~
えっ?と思うでしょう。本当に、シランさんは雨の日に傘をささないのが好きだっただけで逮捕されてしまうんです。みんなは雨の日には傘をさすのに、みんなと違うことを考えるやつは敵だと。そして投獄されてしまうんです。これと同じようなことが世界中に(日本にも)あります。「かさをささないシランさん」は、アムネスティ・インターナショナルと谷川俊太郎さんの合作でした。シランさんのお話にも出てきますが、アムネスティはシランさんのような人々に励ましと支援の手紙を書くという活動をしています。
現在の日本は、一応平和だと思います。でもこの先ずっと平和かどうかは分かりません。何が平和なのかということは、たぶん、平和じゃなくなった時に有無を言わさず気づかされると思います。でも、それでは遅いと思います。平和を取り戻すのは大変でしょうね。平和は私たちひとりひとりが自分にできることを通じて守っていく必要のあるものです。どこかから当然に与えられるものではないのです。子どもたちの平和な未来のために、私たちにできることは、まずは、様々な本当のことを正しい情報で知ることです。そして、自分の頭でそれらの情報がはたして良いことなのかそうでないのか、よく考えることです。
子ども未来館の子ども法律教室をお手伝いしていると、子どもたちの発想は相当豊かで、そして立派に物事をとらえ考えることができることに、びっくりします。この子どもたちの能力を大切に育てていく活動のお手伝いをすることも、私にできることのひとつだと思っています。