香苗先生の法律コラム

掲載日:2016年05月31日

成人年齢、婚姻年齢、そして18歳選挙権

ママの皆さま、こんにちは。子どもはハタチで成人、というのは当たり前のようで、実は世界を見渡すと少数派だったりします。G8の国の「成人年齢」を見てみると、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、ロシアはいずれも18歳、アメリカは90%の州で18歳、カナダは18歳と19歳の州あり、となっています。それも40年以上も前から18歳が主流だったのです。G8では日本だけが20歳なんですね。

年齢に関する法律の規定って、他にもいろいろあります。
例えば、「婚姻年齢」。法律上婚姻ができるようになる年齢です。日本では、男性18歳、女性16歳で結婚できる、と民法に規定されています。では、G8の国ではどうなっているでしょうか。成人年齢と同じく18歳が主流になっています。そして、例えばドイツでは、男女とも原則18歳なのだけれど、夫婦となろうとする一方が成人(18歳)であり、もう一方が16歳以上であれば、裁判所は婚姻の禁止を解除することができる、としており、ある条件をクリアすれば18歳に固定せず、16歳まで下げられるようにしている国が多いです。ただ、一つ言えることは、日本は男女で婚姻年齢に2歳差を設けているけれど、他のG8の国々では、男女での差はありません。

さて、日本では今、冒頭に出てきた成人年齢を18歳にするか否か現在進行形で議論中ですが(ということは、まだ18歳成人が実現するかどうか未定ですが)、成人年齢よりもいち早く、今年(平成28年)の6月19日から、法改正により20歳から18歳に引き下げられたモノがあります。なんだか分かりますか? ― ハイ、それは「選挙権年齢」です。“18歳選挙権”などと報道されておりますので、知ってるよ~というママも多いのではないかと思います。
では、「選挙権」に関する年齢も、日本とG8の他の国と比べてみたいと思います。
上院・下院の別がある国(アメリカ、フランス、イタリアの3か国)では、下院はすべて18歳、上院はイタリアでは25歳ですが、アメリカとフランスでは18歳です。上院・下院の別がない国では、すべて18歳でした。ということは、日本だけが20歳だったんですね~。

今年の6月から、高校生であっても、18歳になったら選挙権があります。今、学校では、子どもたちにどうやって選挙について教えようか、先生たちが授業作りに頭を悩ませているところです。
よく聞くハナシかもしれませんが、若者の投票率が低いというのは本当で、総務省の統計データをみると、20代の投票率が最も低く(平成26年の衆議院議員総選挙のときで32.58%)、次いで30代が低く(同選挙で42.09%)、60代の投票率が一番高い(同選挙で68.28%)となっています。

この統計、私は、もったいないな~なんて思います。 だって、政治家(=選挙に立候補して当選した人)って、自分を支持してくれる人の言うことを聞くものでしょ。自分を支持してくれる人というのは、自分にちゃんと1票入れてくれる人=投票する人です。そして政治家は、投票率の高い世代にウケの良い政策をメインに出すと相場は決まっています。なぜなら、せっかく20代、30代の子育て世代にウケの良い政策(例えば、返さなくてよい給付型の奨学金を創設するために年金額を減らします!など)を作っても、20代、30代の子育て世代は1票入れてくれない、さらに60代も年金を減らされたら困るから1票入れてくれない=そんな政策を出した政治家は当選できる可能性が低くなる=だったらそんな政策を出すのはやめておこう、となるからです。当然、高齢者向けの政策が増えるという図式になりますよね。
今、18歳と19歳は合わせて約240万人いるそうです。ということは、240万票若者世代の持ち票が増えるということです。これって若者世代が、若者向けの政策を政治家に出させるチャンスです。ママの皆さま、もっと子育てしやすい日本にしてもらうチャンスです。1票は小さくても、まとまれば凄い力になりますよー。