コラムvol.16 「子どもがお友達に怪我をさせてしまったら」

子どもがお友達に怪我をさせてしまった場合、逆に、お友達に怪我をさせられてしまった場合に、両方の親はどうしたら良いのか教えてください。
質問者:亮太のママ(仮名)

ママの皆さま、こんにちは。子ども同士、怪我をさせたり、させられたり、ままあることですね。そんな時、法律上の責任はどうなっているの?という発想より前に、まず道義的に人としてどうすべきかしら?と考える方が先かな、と私は思っています。法律による解決は、両方の親同士の対立が話し合いでは解決できないレベルになってから登場するものです。
怪我をさせてしまった子どもの親は、理由は何にせよ怪我をさせてしまったのだから人として謝罪をし、治療費を出すなどできる限りの誠意を尽くすべきだし、怪我をさせられてしまった子どもの親は感情的になっていきり立つのではなく、どういう状況でこうなってしまったのか(自分の子どもにもいけないところがあったのかもしれないし、避けられないような状況だったのかもしれないし、実は相手の子どもが自分の子どもに何かをしてあげようと思ったのが仇になって怪我をさせてしまったのかもしれないし・・・)を冷静に見て判断し、同じ子どもをもつ親として相手の親の申し訳ない気持ちや誠意をまずは受け入れて、その上でどう折り合いをつけるのかや、今後同じようなことが起こらないためにはどうしたら良いかなどを前向きに話し合うことが大切だと思います。この先も子ども達のお友達関係や親同士の交流は続くのですから、円満な解決を目指すことが最優先で大事なことです。
では、親同士が対立してしまったり、一方が聞く耳をもてないなど、話し合いそのものができないレベルになってしまったら・・・法律はどうなっているのか見ていきたいと思います。
原則として、子どもが“してしまった行為”の責任は親が負います。ここで言う“してしまった行為”とは、相手に損害を与える違法な行為(バットで相手を殴る行為とか、相手の座っている椅子を蹴り飛ばして転倒させ怪我をさせる行為など)のことです。例えば鬼ごっこで一緒に遊んでいる最中に相手を押し倒して怪我をさせてしまったような行為は、それ自体お遊び中のハプニングであり違法な行為とはいえないので、してしまった行為の中には入りません。それから小学校高学年くらいまでの年齢の子どもには、自分のしてしまった行為が違法で相手に損害を与える行為だということを理解し判断できる能力がないものとされています。ですからそのくらいまでの年齢の子どものしてしまった行為については、親が責任を負うことになっているのです。では責任を負う、とはどういう意味でしょう?それは結局、相手に損害賠償のお金を支払うということになります。こういった感情の対立が起こりがちな問題でも、法律で解決しようとすると結局、賠償金はいくらが適当か計算する手続きになってきて、決定した賠償金○○円を支払って解決、という結論になります。
ここまでお読みになってママはどう感じられましたか。法律による解決は一応公平ではあるけれど、感情のしこりの残る可能性が高いんです。ですからまずは、法律はどうなっているのかを知っておいた上で、お互い道義的に人としてどうすべきかという観点でできる限り話し合い、円満な解決方法を探ることが一番かな、と私は思います。
司法書士 森 香苗(もり・かなえ)
東京都出身。大学法学部を卒業後、法律事務所をはじめ、不動産鑑定士事務所、一般企業、派遣社員など様々な仕事を経験した後、独立開業。
不動産鑑定士事務所にいた頃、競売物件を扱う中で、住宅を差し押さえられてもどうすることもできないなど、法律の知識がなかったために不利益を被る人をたくさん見る。
また、シングルになったが財産分与のやり方がわからず、問題を抱えこんでしまう女性にも多数会う。法律を知らないために大変な思いをしているママが多いことを痛感。少しでも彼女たちを支援できないかと考え、司法書士という立場から様々な相談に応える。
相談・問い合わせなどはメールで(名前と連絡先をお忘れなく)


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