コラムvol.21 「ホントに解決したのかな?離婚後300日問題 最終回」

女性が再婚・妊娠した時、離婚後300日経っていないと法的には前の夫の子どもだという問題が話題になりましたが、どうしてそうなってしまうのか、分かりやすく教えてもらえたらなぁと思います。
質問者:ももちゃん(仮名)


ママの皆さま、こんにちは。離婚後300日問題の最終回です。
さっそく、2年程前(ほんと最近!)から変わってきた、この問題に対する行政の対応を、まとめて解説していきますね。マスコミでも報道されたりしたので、「あ、それ聞いたことある♪」というママもいらっしゃると思います。

さて、太郎さんは、役所に結衣ちゃんの出生届を出しに行ったものの、離婚後300日問題により出すのを断念して、いったん家に帰ったのでしたよね。そして、花子さんが結衣ちゃんを妊娠したのは離婚「後」だったので、今回は裁判所の手続きをしなくても済んだケースでした。でも、もし妊娠が離婚「前」だったら、裁判所の手続きが必要なケースでした。ということは、裁判所の手続をしている間、前夫の子となってしまうことを避けるために結衣ちゃんの出生届を出さないとなると、結衣ちゃんの戸籍は作られず、無戸籍状態がしばらく続くことになりますよね。そうすると、戸籍の無い結衣ちゃんの住民票は作られるのか、児童手当などの福祉サービスを受けられるのか、パスポートを発給してもらえるのかなど、たくさんの問題が出てきます。こういった一つ一つの問題について、行政の対応がどのように変わってきたのか、概要を次に見ていきたいと思います。

■「総務省」の対応
住民票を作ることができるようになりました。
■「厚生労働省」の対応
子どもの無料検診、児童手当、児童扶養手当などの児童福祉サービスを、戸籍がなくても受けられるようになりました。
■「外務省」の対応
パスポートを発給することができるようになりました。
■「法務省」の対応
結衣ちゃんのケースのように、母の妊娠が離婚後であることが医師の証明書で明らかな場合に、前夫の子としない出生届が出せるようになりました。
■「最高裁判所」の対応
裁判所の手続きにはいくつか種類がありますが、そのうち、認知(にんち)調停の手続き案内の中で、この問題の解決を図る方法について情報提供することになりました。

こんなふうに行政の対応が変わってきたおかけで、結衣ちゃんのような立場の子どもたちの多くが、救われるようになりました。でも、根本解決には、やっぱり民法772条を改正することが必要なんですね。そして、法律を改正に向かわせる力は、ママをはじめとする多くの人たちの声の力です。ですから、離婚後300日問題について、このコラムを読んでくださったママは、お友達など周りの方々に「こういう問題があるんだよ」って、ぜひ教えてあげてくださいね。


【参考】民法の条文
第772条(嫡出の推定)
[1]妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
[2]婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。
セミナー“知っておきたい離婚とお金のホントのところ”のお礼
5月21日、初夏のいいお天気の午前中、ご参加くださった皆さま、ありがとうございました!程よく脱線(ねらいどおり?)しながら、ここだけのハナシもしつつ、楽しくホントのところを知っていただけたようで、よかったなぁ〜と思いました。
ママ必須の違う話題で、またセミナーをやりたいな、と思います。少人数の方が井戸端会議風で盛り上がるので、次回も少人数募集予定。ご都合がつきましたら、ぜひぜひお早めにご参加くださいませ!
司法書士 森 香苗(もり・かなえ)
東京都出身。大学法学部を卒業後、法律事務所をはじめ、不動産鑑定士事務所、一般企業、派遣社員など様々な仕事を経験した後、独立開業。
不動産鑑定士事務所にいた頃、競売物件を扱う中で、住宅を差し押さえられてもどうすることもできないなど、法律の知識がなかったために不利益を被る人をたくさん見る。
また、シングルになったが財産分与のやり方がわからず、問題を抱えこんでしまう女性にも多数会う。法律を知らないために大変な思いをしているママが多いことを痛感。少しでも彼女たちを支援できないかと考え、司法書士という立場から様々な相談に応える。
相談・問い合わせなどはメールで(名前と連絡先をお忘れなく)


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