コラムvol.22 「パートでも“解雇のルール”は正社員と同じです!」

子どもが保育園に入れたので、『10時〜15時、週5日、初めの3か月は試用期間』でパートを始めました。特にいつまでという期間は決まっていなかったので、ずっとお勤めできたらいいな、と思い、初めてで慣れないことも一生懸命頑張ってお仕事していました。
3か月目の終わる頃、会社の責任者に呼ばれました。そこで、「あなたはこの仕事に向いていないから試用期間の終わる今月でおしまいにします。ご苦労様でした。」と言われてしまいました。
ショックでしたが、実は自分でも向いてないかもと薄々は思っていたので、仕方がないかな、と思います。でも、会社が人を辞めさせるときは一か月分の給料を出さなくちゃいけないとか聞いたことがあるんですが、私は貰えないのでしょうか? 正社員じゃなくてパートだし、試用期間中だからダメでしょうか?
質問者:みく☆(仮名)

いろいろなお仕事がありますものね。新しいことにチャレンジしてみて、これが案外向いていて天職かも!ということもあれば、ちょっと違うかな、ということもある。私も過去にいろいろやってみて、コレは自分には向いてないな、というお仕事ありましたね。(懐かしい・・・)みく☆さんも3か月間頑張った経験を糧にして、前向きに次のお仕事につなげていきましょう!
ではさっそくご質問について、見ていきましょう。
みなさんは、会社はむやみに従業員を解雇することはできない、ということを聞いたことがあるかしら? 実際そのとおりで、会社が従業員を辞めさせる(解雇する)ときには、法律で次のような“解雇のルール”が決まっています。この“解雇のルール”は、みく☆さんのようなパートも正社員も同じです!
【解雇のルール】…(1)・(2)の両方ともクリアすることが必要です。
(1)解雇の理由が適切であること。
・・・客観的に合理的な理由がなく、社会的にも認められない解雇は『無効』です。
(2)次の[1]または[2]の、解雇予告手続きをすること。
[1]少なくても30日前に、解雇予告をしなければいけない。
[2][1]の解雇予告をしない場合は、最低30日分の平均賃金を支払わなければならない(解雇予告手当)。
[2][1]の解雇予告をしない場合は、最低30日分の平均賃金を支払わなければならない(解雇予告手当)。
みく☆さんのように本採用されなかった場合も、一般的な解雇と同じで、法律上は解雇ということになります。ですので“解雇のルール”にあてはめて考えていきますね。
ではまず、「あなたはこの仕事に向いていないから」という会社の理由、これは解雇のルール(1)の、解雇の理由として適切でしょうか? もともと会社が試用期間をおくのは、実際の働きを見て向き不向きや能力を正確に判断して本採用したいからです。(反対に働く側も、自分に合っているか試せる期間でもあります。)ですから、向き不向きの判断については、ある程度柔軟に会社が判断できます。もっと詳しく何が向かないのかや、試用期間中みく☆さんはどうだったか等の事情を聞かないとハッキリと言えませんが、一応、適切な理由に入ると思います。
次に、解雇のルール(2)。これは、採用日から14日間を経過していれば、試用期間中の人にも適用があります!ですので、みく☆さんの場合も、会社は少なくても30日前に解雇予告をするか、みく☆さんの言うように、最低30日分以上の平均賃金の解雇予告手当を支払わなくてはいけません。会社としては、即日解雇したいのであれば解雇予告手当を支払わなければいけないし、そうでなければ30日経過後に解雇の効力が生じることになります。(その間にみく☆さんは、次のパート先を探せますよね♪)
★専門家情報★
「社会保険労務士」さんってご存知ですか!? 司法書士と同じで、一般の方を相手にお仕事する場面が今まで少なかったので、どんなお仕事をしているのかご存じないママもいらっしゃると思います。
社会保険労務士さんは、今回のご質問のような労働関係や社会保険の法律、会社の人事・労務管理の専門家です。労働関係のトラブルの解決について、お力になれる専門家には、弁護士、司法書士、社会保険労務士がいます。ぜひ覚えておいてください。
私の仲間内にも、とても優秀な社会保険労務士さんがいて、お話ししていると、いつもとても勉強になります♪
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司法書士 森 香苗(もり・かなえ)東京都出身。大学法学部を卒業後、法律事務所をはじめ、不動産鑑定士事務所、一般企業、派遣社員など様々な仕事を経験した後、独立開業。
不動産鑑定士事務所にいた頃、競売物件を扱う中で、住宅を差し押さえられてもどうすることもできないなど、法律の知識がなかったために不利益を被る人をたくさん見る。
また、シングルになったが財産分与のやり方がわからず、問題を抱えこんでしまう女性にも多数会う。法律を知らないために大変な思いをしているママが多いことを痛感。少しでも彼女たちを支援できないかと考え、司法書士という立場から様々な相談に応える。
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