コラムvol.6 「大人のための法教育のススメ」

ママの皆さま、こんにちは。前回の続きです。
大人と子どもにはたくさんの違いがありますけれど、このコラムでお話ししたい違いには、次のようなものがあります。
1.例えば、子どもがした“パソコンを買う”という売買契約は親が取り消せるけれど、大人のした売買契約は無条件には取り消せない。
2.子どもが社会的に一人前にできることは制限されているけれど、大人は基本的には何でも一人前にすることができる。
3.子どもにはさまざまな教育を受ける機会があるけれど、大人には積極的に探しに行かなければその機会はほとんどない。
これらの違いから言えることはなんでしょう?
それは、大人がトラブルに遭遇した場合、自己責任だから、ということになりやすく、重大な不利益をこうむる危険性が高いということです。
実は、日本という国では、大人はみんな法律を知っていることになっています。その前提のもとで世の中(社会)はまわっています。だから、何かした後から、そんな法律は知らなかったと、大人は言うことができません。
そうすると、実際に法律を知っている人は有利にことを運べたりトラブルをうまく回避することができ、法律を知らない人は損をしたりトラブルに巻き込まれたりする場面が多発することになります。「知らないということは、怖いこと」なのです。
なのに、大人たちは、今まで法律を教わってきたでしょうか? 答えはNoです。だから、大人のために法教育が必要なのです。
それでは、なぜ私はこのコラムで、大人の中でも特にママに向けて発信しているのでしょう。
その理由は2つ。まず、子育てに忙しいママの世界は、外の社会から一歩内に入ったデリケートな世界で、法律を知らないことからくるトラブル等の影響を受けやすいから。もう一つは、子どもが大きくなった時のママの社会復帰の準備として、外の社会感覚を持ち続けてもらいたいからです。
次回からまた別のお話をしますね。ハンコのお話もそうだったかも知れませんが、一つひとつのお話自体はささいな知識です(でも本当に大切な知識ばかりをセレクトしてます)。けれどもちゃんと確認しておけば、いざ何かをする場面で、ふと「あれ?これってどうなんだろう」と、思いつくことができます。こうやって思いつくこと、気づくことがとっても大切なんです。何も気づくことができなければ、もしかしたらトラブルへ向かって一直線かもしれないのだから。

司法書士 森 香苗(もり・かなえ)
東京都出身。大学法学部を卒業後、法律事務所をはじめ、不動産鑑定士事務所、一般企業、派遣社員など様々な仕事を経験した後、独立開業。
不動産鑑定士事務所にいた頃、競売物件を扱う中で、住宅を差し押さえられてもどうすることもできないなど、法律の知識がなかったために不利益を被る人をたくさん見る。
また、シングルになったが財産分与のやり方がわからず、問題を抱えこんでしまう女性にも多数会う。法律を知らないために大変な思いをしているママが多いことを痛感。少しでも彼女たちを支援できないかと考え、司法書士という立場から様々な相談に応える。
相談・問い合わせなどはメールで(名前と連絡先をお忘れなく)


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